3月 24, 2019

「海浜くらしの研究所」Vol.21 ブルース・オズボーンさん(前編)

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日本人の親子を撮りたくて始まった「親子」シリーズは、7500組に増えて、「親子の日」の記念日も、ここから生まれた。
「海浜くらしの研究所」Vol.21 ブルース・オズボーンさん


さまざまなジャンルで活躍するライフデザインの達人たちを迎えて、どんなくらしが自分を楽しく、豊かにしてくれるのかを研究する「海浜くらしの研究所」。その第21回目のゲストは、カメラマンのブルース・オズボーンさん。今日はオズボーンさんに、「親子」をテーマにした写真シリーズを中心にお話しいただきました。



親子と相談しながら撮影

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(1982年から『親子』シリーズの作品を発表されて、いま7500組になっていますが) 最初は、「アナーキー」という(パンクロック)バンドのリーダーの仲野茂とお母さん。たまたまパンクの雑誌の仕事(仲野茂さんの撮影)を頼まれて、撮り方は普通とはちょっと違う感じに見えていいかな、と思って、親の顔、見てみたいと思った。ダメと返事されると思ってたら、すぐ「うん、いいよ」。もう全然、二人は仲よかった。

その後たまたま展覧会のグループに入って、「2週間の展覧会ができるけど、どうしましょう」と考えて、もっと日本人の親子、撮りたいと思った。それで50人くらいの親子を撮った。そのときは浅草に住んでいて、スタジオがあったから、浅草でお世話になってる豆腐屋さん、チンドン屋さんから始めて、仕事をしたミュージャンなどに頼んでいろいろ(スタジオに)呼びました。

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それと最初は、自分が見たことない日本のユニフォーム、仕事の制服を(着ている人を)探した。警察や自衛隊も入ってる。これから日本の次の時代は、どう変わるか変わらないか、そういうところにフォーカスしたかったから、最初は大人同士の親子を撮った。小さいころはまだ自分の個性、出てないからね。大人になれば(次の時代を担う)仕事も決まってるから。

撮影は白ホリ(白ホリゾント=白く塗装された空間)で、何もないホワイトスペースのなかで。二人(親子)も不安になると思うけど、自分もオープンになって(二人の間に)入って、相談してギブ&テイクみたいな気持ちで撮影したいと思ってる。

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それぞれにエピソードがある

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1日100組撮ると、タイムスケジュールびっしりと入ってる。下のスタジオでまず受付して、壁にはその日撮った写真のプリントアウト(を貼る)。 (それを見ながら)ポーズ考えてると、みんな同じだから隣の人と話が始まります。そこで会話があって(気分が高まって)上のスタジオに行くと「じゃあ、行きましょう!」となります。不思議なのは、同じスペースのなかなのに、並び方を変えただけでも全然違うから、それが面白い。

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(有名人の方も、ムッシュかまやつさん・TAROかまやつさん、野村万作さん・野村萬斎さん、アニマル浜口さん・京子さん、さらに奥田瑛二さん・安藤サクラさんそれぞれの親子に、ウルトラマンセブン・ウルトラマンゼロ親子まで多岐にわたりますが)思い出は本当にいっぱいありますし、それぞれドラマがあります。「印象的だった撮影は」と言われましたが、どうしましょう。野坂昭如親子のとき、友達の紹介でしたが9時前に電話がきて、朝早く誰が電話? と電話を取ると「野坂です」とすごい渋い声で「洋服は背広着て大丈夫か」など細かなことを訊かれました。撮影のときは、 (直立不動の感じで立っていた)その態度で怒ったと思ったけど、後に新聞で(そのときの様子を)読むと、大事な写真だと1週間前からもうお酒はストップしていた(ようです)。

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やはり紹介などで電話して「オズボーンと申します」と言うと、(電話に出た)お母さんに「ズボン? ウチの息子、お金払ってない?」と言われたなど、いろんなエピソードがあります。
離婚して親子の壁があるときは、逆に(撮影で)会って(壁を)壊すことになります。それ(と同じケースは)もう何回もあります。
大人同士になると、何かちょっと恥ずかしいと言うケースもあるけど、「元気なとき親と一緒に撮ってよかったな」と、みんな言いますよ。



広がる「Oyako」の可能性

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(2003年に『親子の日』が日本記念日協会に登録されたが)もっと大きくしたいという夢あります。母の日や父の日も個人からアイデアが出てるから、いつかそういう日になればと思ってる。

(2014年には、日本記念日協会から『記念日文化功労章』を受けたが)少しずつ、毎年大きくなっています。「これやりたい」と言うカメラマンも増えているよ。 (海外では2010年に『International Photography Awards 』で、103か国から寄せられた応募総数15,000作品の中から『親子』の写真がプロフェッショナル部門で入賞しましたが) 海外はまだまだ、(これからが『親子』の写真が広がる)チャンスだね。シンガポールは(撮影会で)行きました。でも、まずアメリカでも「親子」って言葉、知らないから。「親子」って言葉がない。(『parent and child』のようになってしまって)一つのセットみたいな日本の考え方とは意味がちょっと違う。アメリカはIndependence(自立・自活)が強くなるみたい。そういう日本の考え方も伝えられればいいと思ってる。そして「oyako」が英語の辞書に入っていいかなと思ってる。
(『親子』の写真集の英語版『oyako』も発売されましたが)そうなると「karaoke(カラオケ)」みたいに英語(流)の発音になるかもね。

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麻耶:
後でジョージ&麻耶の親子写真を撮影していただいてもいいですかね?

ジョージ:
ジョージとジョージのおばあちゃん?

麻耶:
おい! おじいちゃんと孫?

オズボーン:
オズボーン

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でも、そういうケースあるよ、親がルーズな親だと、子供は、真面目になるから、それでバランスとれるよ。ジョージの子供に、そういう子いそうだね。

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