3月 3, 2019

「海浜くらしの研究所」Vol.18 中村新吾さん(後編)

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海の近くでくらしていると、季節の匂いを感じられる。だから、自然の流れと一緒の生活を大切にしている。
「海浜くらしの研究所」Vol.18 中村新吾さん


さまざまなジャンルで活躍するライフデザインの達人たちを迎えて、どんなくらしが自分を楽しく、豊かにしてくれるのかを研究する「海浜くらしの研究所」。その第17回目のゲストは、千葉県長生郡一宮町にある老舗サーフボードメーカーでサーフショップでもあるカルホルニアハワイプロモーション(通称 CHP)の2代目オーナーである中村新吾さん。今日は中村さんに、サーフィンとの関りや地元・千葉エリアについて、お話しいただきました。



10歳でサーフィンデビュー

(サーフィンとの出合いは) 10歳くらいで、父がちょうどこの仕事を始めた頃からですね。(一般的に長さ5~7フィートくらいの)ショートボードに変わりつつある時期で、(舵取りの役目のフィンが1本の)シングルフィンでした。最初は、誰も教えてくれない状態で野放しにされて、父も「周り見ながら、ちょっとやってみろ」って言うような感じだったので、見よう見まねでやりましたが、初めての日はパドリングで終わっていました。それを見かねて、一緒に来ていた人たちが「新吾、こういう風にやるんだ」と教えてくれて、3日めくらいには普通に立てるようになって面白くなってきましたが、同じときに野球をやり始めて、野球にシフトしてしまいました。

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中学校に入って何をしようかと思い、たまたま軽音楽みたいな活動を覗いたら惹かれて、ヴォーカルとギターをやりました。15~16歳くらいまでは、、バンドを組んでひたすらコピーばっかりやってましたね。

その頃、スケートボードのブームがあって、店に来ていた友だちと高校に入った頃からまたサーフィンをやるようになりました。サーフィンは、高校を卒業してアメリカに1年くらい留学したときに、学校で知り合った日本人と週末にマリブの方でしていました。



サーフィン熱の高まりのなかで

オリンピックは、前の町長が(サーフィン競技会場の)誘致に熱意をもってやっていたので、協力させてもらいました。現町長も、その流れを汲んで喜んでいます。サーフィン自体に興味をもってくれて「やってみたい」と言う方たちが多くなって、メディアからの取材も増えています。普通の方々がお店に来て「オリンピック会場になるのはどこ?」とか「整備とか始まってるの?」って訊かれて、道を教えていたのですが、やっと去年くらいから整備が始まりましたね。

サーフィンをされる方々には、常にサーフィンを楽しんでもらえるように、いつでも応援しバックアップできるお店でありたいと思います。CHPサーフボードとしては、お客さまがより楽しめて、よりサティスファクション(満足)を満たせるようなサーフボードづくりを心がけていきたいと思っています。

サーフィンの普及に関しては、オリンピック競技種目になって、すごく盛り上がりを見せると思いますが、興味をもった方たちに間違いがなくて、事故のないサーフィンの楽しみ方をきっちりと伝えたうえで、サーフィンを楽しむ人たちが増えてくれるといいなと思います。そのためには、海のことも、サーフボードという道具についてもしかりですし、海でのルール・マナーもしっかり勉強してもらって初めて、本当に楽しめる形でエントリーできるのではと思います。



サーフィン人口の多い千葉県

(千葉県は) 日本サーフィン連盟(NSA)の支部が4支部(千葉東・千葉西・千葉南・銚子)に分かれているくらいなので、サーフィンをしている人たちは非常に多いと思いますね。「サーフィンをしたいけど都心の職場から離れたくない方は千葉市もよさそう」と言われましたが、ウチのユーザーにも千葉市の方は多いですね。非常に便がよくて、寒い冬場は館山(自動車)道を真っすぐ突っ切ると、鴨川や和田など南房総に1時間半くらいで行けちゃうんですね。(外房の)一宮にも、近いから高速を使わずに来るとしても1時間ちょっとくらいで、どちらに行くにもアクセスがいい。千葉市のお客さまが多いのはそれが理由なんでしょうか。

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いまNSA4支部を含めた千葉県内のサーフショップのネットワークを立ち上げようという段階に入っています。支部やサーフショップ全体がグループになれば発信できることがもっといろいろ増えるんじゃないかと。ただ、人が多くなるが故の事故もあると思うので、それについて一人ひとりが発信するよりも、みんなで発信した方がトラブルも少なくなるんじゃないかと思っています。

サーフィンをする人たちが多い千葉ですが、(サーフボードの上に立って一本のパドルで左右交互に漕いで進む『スタンドアップ・パドル・サーフィン』を)やっている人も多いと思います。ただ、(一宮がある)千葉の外房エリアは、波が荒いので、ゆるやかにクルージングするのは内房の方が多いですね。

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ジョージ:
麻耶もやってるもんね。

麻耶:
頑張ってますよ。サーフィン教えてほしいな、今年の夏は。

ジョージ:
いつでもいいよ。

麻耶:
やっぱり中村さんのお店に行きます。

中村:
ぜひ(笑)



海の近くでくらす魅力

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(海の近くの生活で) 他で味わえない一番の魅力は、季節の匂いを感じられることです。自分の自宅も海まで歩いて10分も行かないところなんですが、オンショアと言って風が海から吹けば、昨日は聞こえてなかった波の音が聞こえるねとか、風によって潮の匂いがするね、と感じます。自分の子どもたちは「あっ、もう冬の匂いだね」と、そういうことを言うんです。確かにそう言われれば、海がもたらす匂いだと思うんですが、そこが一番ピュアに自然を感じられるし、素敵って思いますね。

(くらしのなかで一番大切にしていることは)自分自身が自然体でいられることです。早く起きて、早く寝て、自然の流れと一緒に。自然をちゃんと感じるためには、自分が自然体でいるのが一番いいなと思っています。



前編はこちらへ⇒「海浜くらしの研究所」Vol.17 中村新吾さん(前編)