1月 13, 2019

「海浜くらしの研究所」Vol.11 大原洋人さん(前編)

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父母の姿を見ながら、7歳でサーフィンを始めて15年。難しさに耐えて波に乗るときのスピード感がたまらない。
「海浜くらしの研究所」Vol.11 大原洋人さん


さまざまなジャンルで活躍するライフデザインの達人たちを迎えて、どんなくらしが自分を楽しく、豊かにしてくれるのかを研究する「海浜くらしの研究所」。その第11回目のゲストは、2020年の東京オリンピックのサーフィン競技会場でもある千葉県長生郡一宮町ご出身で、その東京オリンピックへの出場も期待される注目のプロサーファー、大原洋人さん。今日は大原さんに、サーフィンという競技やその魅力について、お話しいただきました。



「海に行きたい」がサーフィンの始まり

(サーフィンがオリンピック種目になるのは)いまはまだ、驚きだけですね。(父母が)趣味でサーフィンとボディボードをやっていたので、7歳でサーフィンを始めて、もう15年くらいやっています。海が家から近く、サーフィンをやりに行く父の姿を見て「自分も海にいきたい」って言って、始めてみたら、はまった感じですね。
小学校2年生で初めて出た大会は4位でした。他の選手はみんな自分より確実にうまく見えてたんですが、初めてだから勝たせてくれてたのかな、っていまでは思いますね。
(バランスをとる)難しさとか、それに耐えて波に乗ってるスピード感とかが楽しくてサーフィンにはまったのかな、って思います。



13歳でチャンピオンとなってプロ入り

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(13歳で日本プロサーフィン連盟(NSA)の全日本選手権に優勝、ワールドサーフリーグ(WSL)ではU16年間チャンピオンを獲得してアマチュアの頂点に輝き、同じ年にNSA公認プロの資格を獲得されましたが)そのときは、プロになることが、そこまで大きいこととは思っていなくて、ただプロの試合に出て勝てばプロになれる、って思って、それで勝ってプロになれた、みたいに軽く考えていました。 (プロとアマの差は)プロサーファーという肩書があるだけでスポンサーからお金がいただけて、試合に出るたびに賞金が出る、などの違いだと思います。だんだんと大きな試合に出るようになって、日本のプロサーファーと戦う機会が増えてきて「あっ、プロサーファーなんだな」と思い始め、海で人に話しかけられるようになってプロを意識し始めました。



高スコアを取る見せ方の工夫

殆どの試合が4人か、上に行けば二人で行います。(試合時間は)20分から30分くらいで、好きなだけ(波に)乗ってスコアが高い2つの波の合計で争うんですが、陸で5人くらいのジャッジが見ていて、(4人のうちの二人、二人のうちの一人)が(勝ち)上がります。(高スコアのためには)クオリティや波の質はもちろん、どれだけ難しい(波が不規則な崩れ方をする)セクションで難しい技をやるかとか、(その技の)見栄えも大切です。本当にいい波のときは、どれだけ難しい技を何回連続できるか、難しい波のときは、どれだけすごい(波をつくる)風に乗ったかを見せられるか、(見せ方を変える)そういうのが必要です。 (きれいな乗りやすい波では) 逆に攻めなきゃいけなかったり、ジャッジが「この波なら絶対、点数を出せる」って分かるような波で簡単なサーフィンをしたら、「甘いサーフィンだったな」と点数が付かなかったりするので、難しいですね。できるだけ攻めて、それを決めて勝つ、みたいなのが一番いいですね。


運も味方に変えて逆転優勝

(自然が相手なので)かなり運はありますね。自分の勘だったりもするんですが、どこで波が割れるかを試合前に見て、自分が信じた場所でその波を待つのがいつものことです。だんだん試合の残り時間が少なくなって、「ここじゃなかったかも」と思って作戦を変えるときに、動いた場所に波が来ればいいけど、来ないかもしれないし、それは賭けだったりします。ただ、試合では(波の選び方への自信を)なるべくもつようにしています。自分を信じない限り、何も信じられないので。

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ジョージ:
海に入っても、一番たくさん波に乗るやつの隣に座るもんね。

大原:
そうですね、それがたぶん一番ですね。

麻耶:
やっぱり予測してそこにいらっしゃるっていうこと?

ジョージ:
外から見たらその人に波が来るように見えちゃうんだけど、実は、その人はどこにいたら一番、波が来るって分かっているから、そこにいるのね。

麻耶:
そうしたら、ジョージさん、一番ずるいじゃない!

ジョージ:
ああ、ずるいよ。

(2015年の18歳のときに、最高グレードのワールドサーフリーグ全米オープンで日本人初優勝を遂げましたが)勘がすごく働いたというか、「いまのこの感じなら、ここに波が来るかな」って、ふと動いた所にいい波が来て逆転したような試合が何回かありました。
「 (決勝は)1対1で、相手は優勝候補と言える選手を何人も倒してきた選手なので、かなり勢いに乗っていて難しいファイナルになるという思いはありましたが、ここまで来たら優勝を狙うしかないと思ってやりました。
残り3分くらいで逆転して優勝したので、もう無理かなっていう気持ちはあったんですが、そのときもふと動いたらいい波が来て「ああ、これだ!」みたいな感じで乗りました。 (そういうときの波は)キラキラ光ってますね。追い込まれれば追い込まれるほど、よくない波は死んでるような波に見えて、「ああ、これだ」って思う波は、そこだけで光ってるように、(スポットライトが)当たっていますね。



音楽で気持ちを落ち着かせてから試合へ

(バックナンバーの「まばたき」をリクエストされましたが)これは試合前の最後に聴きますね。(最初は)周りの人が音楽を聴いてるのを見て、自分も音楽を聴いた方がいいのかなって思って。聴き始めたときは、本当にガンガンな、ヘッドホンが壊れるんじゃないか、っていうぐらいの曲を聴いていたんですが、テンションを上げる曲は合わないかなって思い始めてから、カラオケで自分が歌うような大好きな曲を聴いて、平常心というか、気持ちを落ち着かせて試合に臨む方が自分には合っていると感じています。